どう考えてもおかしい

活動日誌
09 /28 2015
 世論の大反対を押し切って、19日未明、「戦争法」が強行採決されました。安倍首相は、「東アジア緊張論」や「新三要件での合憲論」でむりやり押し通しましたが、そのどれもが根拠のないものであることが明らかになっています。私は、18日の市議会一般質問でこの問題を取り上げ、安倍首相の嘘と間違いを指摘しましたので、紹介します。

 最後に、安全保障関連法案、いわゆる「戦争保安」に関する市長のお考えをお聞きします。
三つの点がはっきり
 この間の3カ月の国会審議をつうじて、三つの点がはっきりしました。
 第一は、安保法案=戦争法案が憲法違反だということです。圧倒的多数の憲法学者、内閣法制局の元長官につづいて、最高裁長官を務められた山口繁さんが「憲法違反だ」と断じました。「合憲か、違憲か」という論争はもう決着がついたものと考えます。
 第二に、ついに安倍政権は国民の理解を得ることができなかったということです。直近のどの世論調査を見ても、6割以上が「今国会での成立に反対」と答えています。これに対して政府は、“理解を得られなくても成立をはかる”といい、採決を強行する姿勢ですが、これはあまりに傲慢な態度です。
 そして第三に、自衛隊の中枢の暴走ということが内部文書で明らかになってきたことです。
 これだけ問題点が噴き出してきたわけですから、私はこの「戦争法案」は廃案にするしかないと強く求めたいと思うのであります。
集団的自衛権は米軍への戦争協力
 政府は、集団的自衛権というのは“あくまでも日本人の命を守るためのものだ”といって、その事例として、二つを繰り返してきました。
 一つは、「邦人を輸送する米艦の防護」とずっと言ってきたわけですが、しかし、首相は“日本人が乗っていなくても、集団的自衛権の行使はありうる”と最近になって言い出しました。もう一つは、「ホルムズ海峡の機雷掃海」ですが、これも当のイラン政府が「そんなこと、つまり機雷敷設はありえない」というなかで、首相は最近になって、“特定の国を想定しているわけじゃない”と言い出しました。つまり、“日本人の命を守るため”とあれだけ繰り返してきた事例が二つとも破たんしてきているわけです。
 そうしますと、集団的自衛権の行使の目的というのは、“日本人の命を守る”ことではなく、米軍と自衛隊が世界的規模で一緒になって戦争することだというのがはっきりしたというのが、これまでの国会論戦の到達点です。
集団的自衛権でより危険に
 また、政府は、集団的自衛権行使容認で「抑止力」を強くすればバラ色になるかのようなことを主張していますが、大森政輔元内閣法制局長官が、9月8日の参院安保特別委員会の参考人質疑で次のように述べています。
 「わが国が集団的自衛権の行使として……第三国に武力攻撃の矛先を向けますと、その第三国は、……わが国に対して攻撃の矛先を向けてくることは必定であり、集団的自衛権の抑止力以上に紛争に巻き込まれる危険を覚悟しなければならず、バラ色の局面到来は到底期待できない」
 つまり、集団的自衛権の行使というのは、わが国に対して武力攻撃をしていない国に対して、日本の側から武力の行使をすることになり、それは、相手国からみれば、事実上の問題として、日本による先制攻撃です。したがって、相手国に、日本を攻撃する大義名分を与えることになります。ですから、国民の命を守るというよりも、進んで危険にさらすことになる、ここに集団的自衛権の本質があると言わなければなりません。
やはり「戦争法案」
 さて、政府は、「この法案は戦争とは無関係の法案であり、勝手に『戦争法案』と決めつけている」と主張しています。
 しかし、法案を見れば一目瞭然です。
 安全保障関連法案は、新法案である「国際平和支援法」と、10の改正法案を1つに束ねた、「平和安全法制整備法案」で構成されていますが、そのうちの「周辺事態法」を「重要影響事態安全確保法」に変更する法案の内容は、これまで地理的制限を加えていた自衛隊の海外派遣の制限をなくし、自衛隊をどこへでも派遣できるようにするものであり、「国連平和維持活動法改定案」などでは、これまでは自己防衛のためにしか使ってはならないとされてきた自衛隊の武器を、「任務遂行」のためにも使ってよいとし、「危害」や「妨害」を受ける前の先制的な武器使用を容認する内容であることが明らかになりました。
 軍隊を派遣して武器を使わせることを、世間では「戦争」といいますから、この法案は、まさに「戦争法案」にほかなりません。
根拠のない「中国脅威論」
 また、「中国のガス油田の開発強行や北朝鮮のミサイル試射など、東アジア情勢が緊迫している」という主張もあります。
 これも、為にする議論であり、根拠にはなりません。中国のガス田開発は、もともと2008年の日中の共同開発合意にもとづく開発を、中国が自国の費用で、しかも日本が主張している中国の領海内で行っているものであり、この開発が成功すれば、日本は膨大な費用の負担なしにガスを手に入れることができますので、日本の国益にかなうものです。マスコミを巻き込んでまったく逆の宣伝をするのは、砂川事件の判決を集団的自衛権の論拠にするという安倍首相お得意の牽強付会な議論です。
 さらに、中国の軍備増強にしても、自民党の石破氏が、「軍事費の伸びだけで脅威とはいえない。軍人の給与上昇にかなりの部分が使われているという事実がある」と述べているほか、アメリカ太平洋軍のブレア元司令官が、「南シナ海で紛争が起きつつある現実的危険性は見られない」と語るなど、ほぼ誇大な宣伝ともいえるものです。そもそも、もし仮にそうした中国の脅威が現実のものであったとしても、北朝鮮のミサイル問題とともに、まさに個別的自衛権の問題であり、アメリカの戦争に巻き込まれる「集団的自衛権」とはまったく関係のない話です。
「新三要件」も虚構
 さらに、「自衛隊の海外派兵には新三要件があり憲法違反ではない」とする主張もあります。
 これもすでに破綻しています。新三要件とは、明白な危険がある「存立危機事態」であって、他の方法がない場合に限り、必要最小限の武力を行使できると定めているものですが、安倍首相は7月3日の答弁で、「明白な危険がないと証明できない限り危険はある」と論理を逆転させました。つまり、自衛隊の海外派遣や集団的自衛権行使の判断は、時の政府の裁量でどうにでもなるということです。
自衛隊員の危険性はさらに
 さて、自衛隊の派遣に関して申し上げますと、「重要影響事態法案」と「国際平和支援法案」では、共通して、これまで政府が「戦闘地域」としていた場所にまで自衛隊が行って軍事支援を行うことになっています。国会答弁では、「戦闘が見込まれない地域」を定めるようなことを言っていますが、そのようなことは法案には書いておらず、書いてあるのは「部隊による活動が円滑かつ安全に実施することができるように実施区域を指定する」という記述のみであり、中谷防衛相は、「それ以上の安全規定については法案の記述はございません」と答弁しています。
 つまり、いつでも相手方の攻撃の対象になり、「攻撃されたらどうするのか」という質問に対しては、首相は「武器の使用をする」、つまり戦闘になると答弁しています。
 また、自衛隊の「後方支援」、つまり兵たん活動は、武器・弾薬の輸送、弾薬の提供を可能にするなど、活動内容も大きく広がることが国会審議で明らかになりました。
 「非戦闘地域」という歯止めが外れるだけではなくて、活動内容という点でも、武器・弾薬の輸送、そして弾薬の補給ができるようになるということは、自衛隊員の危険性が極めて高くなり、不幸にも戦死という事態がすぐ目の前にあることを示しています。
駐屯地のある上越市だからこそ
 上越市は、陸上自衛隊高田駐屯地が存在し、市民の中には少なくない自衛隊員の皆さんがおられます。先日、ある中年の女性が、息子さんが自衛隊員なので、ほんとに心配だ、できればすぐにやめさせたいとおっしゃっておられることを聞きました。こうした地にあっては、杞憂と言うにはあまりにも現実的です。市長は、こうしたことを踏まえて、この法案に対してどのように考えておられるのかをお尋ねするものであります。

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ひららぎ哲也

 27年間の私立高校教員を経て、日本共産党の上越市議会議員になりました。
 学校での教育実践のモットーは「一人ひとりを大切に」。学校の枠を超えて、若者が夢と希望を語れるような上越市を作ろうと、市政改革に挑んでいます。
 明るい街作りは暮らし応援の市政から。市民が主役の上越市政に挑む「ひららぎ哲也」に大きなご支援を!