道徳教育って?

活動日誌
06 /09 2014
 今日は市議会文教経済常任委員会へのデビュー戦でした。今議会を前に委員会の構成が変わり、私としては初めての委員会です。市内の経済振興、農林水産政策、観光、そして教育と、多岐にわたる所管で、正直戸惑っています。
 今議会への提案は、教育委員会からのいくつかが主なものでした。その中で、私は清里中学校での道徳教育への県の支援事業による予算が付いた件で質問しました。
 質問の趣旨は、「道徳教育は、普遍的道徳価値から偏らないようにすべきであるが、偏らないようにするために、どの様な配慮をしているのか」というものです。答弁は、「指導要領では、それぞれの発達段階に従って、自分自身に関することや他の人との関わりに関することなどの4つの柱に基づく内容項目が示されており、それぞれに関して各学校で指導計画が立てられているが、その指導計画をチェックして、偏らないようにしている」というものでした。
 問題は、その指導要領にある四つの柱の内容です。いくらその内容項目から偏らないようにしても、その内容項目が偏っていてはどうにもなりません。近年の国政の右傾化で、上から都合の良い内容を押しつけようとする中で、偏ったことを教えよということであれば、日本国民を戦争に駆り立てた戦前の「修身」と同じようになりかねません。
 その指導要領の項目内容ですが、次のようになっています。、
<主として自分自身に関すること>
低学年 - 健康・安全。物や金銭を大切にする。整理整頓。規則正しい生活。任務遂行。善悪の判断。正直。
中学年 - 自律。節度ある生活。深謀。謝罪と改心。不撓不屈。勇気。正直。明朗。
高学年 - 節制。目標設定。自由。誠実。真理追求。創意工夫。自己評価。
中学生 - 望ましい生活習慣。健康。節制。調和のある生活。希望と勇気。自主性。責任。理想実現。自己の向上。個性の伸長。
<主として他の人とのかかわりに関すること>
低学年 - あいさつ。言葉遣い。動作。幼児・高齢者への親切心。友情。感謝。
中学年 - 礼儀。思いやり。理解・信頼・助け合い。尊敬と感謝。
高学年 - TPOの区別。男女協力。謙虚な心。感謝と報恩。
中学生 - 礼儀。人間愛。友情の尊。異性の理解。人格尊重。他に学ぶ。
<主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること>
低学年 - 動植物愛護。生命尊重。敬虔な心。
中学年 - 自然への感動。崇高なものへの感動。
高学年 - 自然環境保全。自他の生命の尊重。感動する心。畏敬の念。
中学生 - 自然環境保全。自他の生命の尊重。感動する心。畏敬の念。
<主として集団や社会とのかかわりに関すること>
低学年 - 遵法。公共物の保全。父母への尊敬・家族愛。愛校心。郷土愛。
中学年 - 公徳心。勤労。家族愛。愛校心。郷土愛。愛国心。国際理解。
高学年 - 集団活動。義務の遂行。公正・公平。社会奉仕。家族愛。愛校心。郷土愛。国際親善。
中学生 - 集団生活の向上。法の遵守。社会連帯。差別偏見の撤廃。公共の福祉と社会の発展。家族愛。愛校心。郷土愛。愛国心。国際貢献。

 以上ですが、この中に、とても気になることがありませんか。
 まず、「崇高なもの」です。この中には「敬虔な心」「崇高なものへの感動」「畏敬の念」と、抽象的、宗教的な言葉が並んでいます。いかにもうさんくさい、と言えば言い過ぎか。いずれにしても、「理屈を言わずに従え」と言われているようで、腑に落ちません。こうした訳のわからないものを論じる際には、何を崇高なものとしてとらえるのかという点で、一人ひとりのとらえ方が異なるということを前提にすべきではないでしょうか。それを、一方的に決めて、「これが崇高なものだ」というのはたいへん乱暴で、憲法にも違反します。また、「崇高なもの」というのは理屈ではなく、つまり根拠無く信じなさい、根拠無く敬意を払いなさいというようなことになり、科学的なものの見方を放棄させてしまうことになります。これでは困ります。
 また、話題になっている「愛国心」です。これこそうさんくさい。この国に生きるすべての人々を愛し、この国の自然、風土、文化を愛するというのならわかりますが、戦前の愛国心は、「天皇の絶対支配に服しているこの国の国家体制を愛すること」が愛国心だとされてきましたので、まことにうさんくさいのです。今、愛国心と行っている人の中にも、愛する対象が「国家体制」だったり、「独占資本家による支配体制」だったりする場合が多いのですが、そんなことではまったく道徳価値はありません。普遍的道徳価値という場合は、このように偏った意味を含む内容は厳に排除されるべきではないでしょうか。
 ともかく、道徳教育は大切ですが、一般論だけではうさんくさくなるので、具体例を挙げながら一つ一つチェックしていくことが大事だと思った次第です。

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ひららぎ哲也

 27年間の私立高校教員を経て、日本共産党の上越市議会議員になりました。
 学校での教育実践のモットーは「一人ひとりを大切に」。学校の枠を超えて、若者が夢と希望を語れるような上越市を作ろうと、市政改革に挑んでいます。
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