市民の知恵出しで設計議論?

活動日誌
06 /08 2014
 (仮称)厚生産業会館は、昨年暮れからの市民ワークショップが重ねられ、設計・建設に向けて準備が重ねられています。
 この施設の構想にあたっては、介護保険料の高騰など市民負担が増す中で、今この時期に大きな資金を導入しての建設がふさわしいのかという多くの市民からの疑問の声が出されています。私たちは、「建設ありき」ではなく、白紙の状態から市民に問いかけ、建設の可否を含めて市民の声を聞いてから決めるべきと主張してきました。そうした中、一昨年には高田区地域協議会から、「基本構想は不適格」という答申も出されました。ますます、市民からの意見聴取が重要になってきています。ところが、市当局は建設を前提にした準備を強行し、具体的な使い方も含めた議論を、市民を巻き込んだ形で進めています。
 市民の意見を十分に聞かずに進めるやり方は許せるものではありませんが、どうしても作るというのならば、実際に使う市民の意見や思いが十二分に活かされる設計にすべきですので、今回のようなワークショップを積み重ねるやり方は、それ自体で見ると大きな前進であると思います。
 この間のワークショップは、施設の大きな3つの要素である、公民館、ホール、子どもセンターに対応する部会と、高校生の部会を加えた4つの部会で構成され、それぞれの部会ごとの議論を各6回、全体を合わせた調整会議を3回と、のべ21回の会合を開いてきたと言います。
 8日には、そうしたワークショップの議論の概要を広く市民に報告する「市民フォーラム」が開かれました。
 市民フォーラムでは、各部会での議論の様子や、どのような思いでワークショップに臨んだかといった感想が報告されました。報告の中では、子ども部会から報告に立った保育園の園長さんの指摘が印象に残りました。彼の指摘は、「3つの違った要素が統合されているので、世代間の交流が図られることから、『重ね使い』は重要であると思うが、子どもの使うスペースは、感染症予防などのためにかなり厳重な消毒作業をその都度行っていることから、子どもスペースを他の目的で使用する際には、使用後にしっかり消毒作業をしていただきたい」というものでした。子どものためのスペースでも、使っていない時には他の目的で使えるのではないかと簡単に考えがちですが、やはり子どものためのスペースはあくまでも子どものためのものであり、安易に「使い回し」をしようという考えは、しょせん素人考えであるようです。
 さて、フォーラムの前半は、ワークショップのファシリテーターを務めた倉田直道工学院大学名誉教授の講演でした。この講演で印象に残ったのは、茅野市の取り組みです。茅野市では、旧市民会館の利用者や、新市民会館にさまざまな提案をしている市民、専門的な学識経験者などで民間組織「茅野市の地域文化を創る会」を結成し、基本構想の検討・提案を行いました。まさに市民の有志による市民主導の会館建設です。そして、建設後は、その運営にも市民が加わってやっているとのことです。こうしたことが実現できれば、本当の意味での市民会館と言うことになるでしょう。
 今回の(仮称)厚生産業会館の計画でも、こうした茅野市の取り組みをかなり参考にしているようです。できれば、その真髄を学び活かした建設にしてほしいものです。うがった見方をすると、市民ワークショップは、行政主導で一部の市民を集めて意見を聞く、いわば「ガス抜き」のようなものになってしまうのではないかとの懸念もあるだけに、今回のワークショップだけでなく、今後の運営にも市民意見が活かされたり、運営そのものにも市民が参加したりすることで、その懸念を払拭してもらいたいものです。
 フォーラムの最後のフロアからの発言でも、鋭い意見が出されました。一つは使い勝手の件です。「いまの公民館は市民に広く開放されていてたいへん使い勝手がよいが、新しい施設では門戸が狭くなるのではないか」という指摘です。施設が新しくなったからといって、使い勝手が悪くなってはたまりません。市民への開放の度合いをより大きくし、より気軽に使える施設にすることが求められています。
 二つ目は、観桜会の際の使用の懸念です。観桜会の際は、高田図書館(駐車場)への出入りすら制限されていますので、実質的にはこの施設も使えない、あるいはイベントが企画できないというおそれがあります。同席した宮崎都市整備課長は、「使用の調製はまだしていないので、いま答える材料はない。これから知恵を絞りたい」とのこと。果たして解決がつくのでしょうか。
 そして三つ目は日常の駐車場の件です。施設の近傍には150台分の駐車場を用意する考えのようですが、ホールの客席数が600以上であることから、全く足りません。高田公園全体では500台分を確保できるとしていますが、これでも心配な上に、場所によってはかなり遠くなります。特に小さい子どもを連れて駐車場から数百メートルも歩くとなると、何のために子ども連れで行くのかわからなくなります。
 この点では、倉田氏が、「駐車場の問題ではいろいろな議論があった。一方で、車のない人を排除しないしないように、車以外のアクセス方法も考えるべきではないか。」と指摘しました。まさにその通りで、どんな人でも来やすい、行きやすい施設にすることが、一方では大事なことです。しかし、その前に、ある意味でへんぴなところである以上、十分な駐車場の確保も前提条件の一つです。重要な問題として、考えていく必要があります。

 倉田氏の講演
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 ワークショップ参加者によるパネルディスカッション
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ひららぎ哲也

 27年間の私立高校教員を経て、日本共産党の上越市議会議員になりました。
 学校での教育実践のモットーは「一人ひとりを大切に」。学校の枠を超えて、若者が夢と希望を語れるような上越市を作ろうと、市政改革に挑んでいます。
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