障害福祉計画を考える

活動日誌
01 /07 2011
 市の障害福祉計画(第2期、平成21年度~23年度)をやっと読みました。こうした市の文書は山のようにありますが、それぞれ担当の部署が練りに練って作成したものであり、たくさんあるからといって読まずにすませられるものではありません。しかし、本当に山のようにあり、やっと少しずつ読んできたものです。
 さて、障害福祉計画です。全体を貫いているのが、障害者自立支援法の主旨である「就労支援」です。どんな人でも自ら働くことで自己実現を図り、自らの力で生きていけることに超したことはありません。そこで、いろいろな形での支援を前提に就労をめざすことは、一般的な意味で大事なことです。
 しかし、政府の「就労支援施策」は、労働者としての労働条件、身分保障を問うことなく、少しでも働いて稼ぎ納税者になり、「福祉の支え手」(福祉の対象(使い手)でなくなる)となることをねらったものであるとしか思えませんが、そうしたことを無批判に前提にして、市のレベルで推し進めようとするのであれば、大きな問題です。
 実際、一般就労により経済的自立を実現できる事例はまれであると聞きます。また、作業所や授産施設は就労に向けた準備を行う施設として特化できるものではありません。逆に、それぞれの能力と価値観にあわせた就労を通した社会参加をすすめ「依存しながらの自立」(自律)を支援する場でもあります。そうした実態を無視して、一般就労に向けた準備だけを評価するということでは、当事者を出口のない落とし穴に追い込むことになりかねません。
 また、一般就労に就いている人を含め、日常生活支援や相談・コミュニケーション支援も不可欠です。こうしたことがしっかりとやられることこそ、当面必要なことではないでしょうか。
 そうした面から見ると、この計画はかなり不十分な点があるように感じました。
 なによりも、福祉サービスを受けることで1割の自己負担が重くのしかかるしくみをどう解消し、安心してサービスが使えるようにするかということこそ求められている自治体の現場で、その点についてほとんどふれられていないことは重大です。
 なお、就労支援では、次のような指摘もあることを紹介しておきます。
◇知的障害の養護学校(現在は特別支援学校)高等部から一般就労をした卒業生の中には、精神的な不調に陥って離職に至る場合が少なからずあり、その予後はよくない。原因は、本人や家族の特性、受け入れ事業所の理解不足に加えて、在学中の指導体制、就労支援体制の不備、無理のある就職選択が考えられる。今後さらに障害者の一般就労を推し進める上で必要とされる支援は何なのかを検討し、共通理解する必要がある。
◇労働能力が劣る精神や身体に障害のある者は、都道府県労働局長の許可を受けたときは最低賃金の適用が除外(最低賃金法第8条)されることになっている。その理由は、使用者の負担を軽くすることで障害者の雇用拡大を図ることができるためと説明されている。そもそも最低賃金とは、人が人として暮らしていくための最低限必要な金額であり、これを下回ることは最低生活以下の生活を余儀なくされることである。労働効率が低いために最低賃金すら保障されないという制度は、賃金の全てを使用者負担としているところに問題がある。障害者の就労に際しては賃金の一部を公的に保障していく制度が必要である。最低賃金適用除外の法律は1959年に制定されたものであり、すでに50年が経過している。障害者をめぐる国の内外の状況も大きく変化してきており、障害者がその人らしく就労を通して生きがいをもって社会参加できるよう抜本的な制度改革が必要である。

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ひららぎ哲也

 27年間の私立高校教員を経て、日本共産党の上越市議会議員になりました。
 学校での教育実践のモットーは「一人ひとりを大切に」。学校の枠を超えて、若者が夢と希望を語れるような上越市を作ろうと、市政改革に挑んでいます。
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