青森新幹線来年延伸

活動日誌
02 /16 2009
12~13日の二日間にわたって、来年青森駅まで新幹線が延伸する青森県内の二つの市町を視察してきました。
 青森市では並行在来線の存続に向けた市としての取り組みについて担当者からくわしい話を聞きました。
その中では、①青森市内に3つの新駅を設置したり、通勤通学時間帯の運転本数を増やすなど利便性の向上に努力していること、②新幹線の新駅やローカル線との直通運転や路線バスとの接続など、シームレス(つぎめなし)の推進を図っていること、③地域の観光魅力づくりを推し進めていることなど、地元としての活用の努力に県をあげて取り組んでいることが強調されました。中でも、乗客を増やすには新駅を造るなど利便性を向上させることが大事であり、運賃は二の次だという断言が印象的でした。
 青森県内の並行在来線(東北本線)の特徴は、線路を青森県が所有して、第三セクター「㈱青い森鉄道」は運行業務のみを行うという「上下分離方式」であることです。このため、運行主体の会社は線路使用料が減免されれば、極端な運賃値上げなしに当面は収支が均衡する見通しが立っています。もちろん輸送密度が年々下がることが予想されるので、それに対応した手だてが必要ですが、営業努力である程度吸収できるとしています。
 線路使用料の減免についても、青森市としては㈱青い森鉄道の線路使用料は引き続き100%免除されるとの認識のようですが、そのために青森県はJR貨物の線路使用料を引き上げるべきではないかといったことや、新幹線の利益の中からも負担すべきではないかといった認識があるとのことでした。
 このことは、国やJRへの姿勢が及び腰になっている新潟県と対照的でした。
 この間問題になっているJRからの鉄道資産の譲受価格についての問題では、青森市も青森県からの明確な説明はなく、新聞報道でしか情報が入手できていないとのことでした。これは、当初帳簿上の価格(簿価)が160億円とされ、その簿価でしか譲渡できないとされていた鉄道資産を、このたび青森県が80億円で譲り受けることになりましたが、実はこの80億円が簿価であるという問題です。青森県としては当初よりもかなり安い価格で譲り受けることになったわけですが、あくまでも簿価での取引であるということになると、今後の本県での資産譲渡への影響が懸念されます。また、青森県の鉄道所有者としての収支も明らかになっていません。青森県の県財政が心配されるところです。
 さて、八戸駅と新青森駅の中間にある七戸町に新駅ができます。ここは東北本線や中心市街地からも離れていて、わずかに国道4号線が近くを通っているという地理的条件の所です。在来線へ乗り継ぎもできず、特徴的な施設もないというところでの新駅設置ですので、いろいろな意味で苦労を重ねてきたとのことでした。
 苦労の第一は、誘致までの道のり。20年以上にわたって二転三転してきた新幹線の規格の変更(ミニ新幹線になるとこの町は通らないことになる)に翻弄されたり、交付税の削減で新駅周辺の整備事業も危うくなるなどの苦労を重ねてきたようです。
 また、新駅設置が決まって周辺整備の土地区画整理事業がある程度進んだ段階で、15000平米もの売り場面積を持つ大手スーパー(イオン)の進出の申し出があり、短期間で見直しを迫られたことも苦労したとのことでした。
 このイオンの出店については、地元商店街に大打撃になることが予想されますので、かなり強い抵抗があったとのことですが、「駅に賑わいを」との思いで理解が得られたとの行政側の説明と、商工会員であるという議員からの別のニュアンスの発言があり、地元でもすんなりいっていないことがうかがえました。
 一方、新駅からの交通アクセス、いわゆる二次交通の点では、二つのバス会社の境界になっていることや、県が運行の許認可権を持っていることなどから、「全体として答えにくい」との苦しい説明でした。積極的に考えるという点では、十和田湖、下北半島、ねぶたの青森、三社大祭の八戸の中心に位置する「青森県のへそ」として大いに売り出していこうという気概も感じられました。
 駅舎は、地元の意向を最大限くんだ形で3案が示されその中から選ぶという形だったそうで、早くから鉄道運輸機構との情報交換に努めていたことが功を奏したのではないかとのことでした。また、駅舎への町の負担は全くなく、その後の交渉で自由通路の幅を広げる要望が実現したそうですが、その費用も負担なしだったそうです。
 ところで、ここで明らかになったことの一つに、新幹線の本体工事費の地元負担分の割合がかなり異なっているという点があります。工事費はその三分の一を地元が負担するということになっていますが、新潟県では、地元負担分のうち、駅が設置される市町村では明かり区間(トンネルをのぞいた部分)の10%を、駅のない市町村は5%を負担させることになっています。しかし、青森県では、駅のある市町村のみ、しかも全線ではなく駅の区間の数百メートル分に限って10%の負担を求めるということでした。市町村財政に最大限配慮した割り振りではないでしょうか。この点でも県の姿勢の違いが鮮明になりました。
七戸新駅 写真は七戸(仮称)駅の工事現場

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ひららぎ哲也

 27年間の私立高校教員を経て、日本共産党の上越市議会議員になりました。
 学校での教育実践のモットーは「一人ひとりを大切に」。学校の枠を超えて、若者が夢と希望を語れるような上越市を作ろうと、市政改革に挑んでいます。
 明るい街作りは暮らし応援の市政から。市民が主役の上越市政に挑む「ひららぎ哲也」に大きなご支援を!